141 ■ 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法) この法律は、良質な住宅を安心して取得できる住宅市場の条件整備と活性化のために、平成 12 年 4 月 1 日に 施行されました。品確法は 3 つの柱で構成されています。 ① 新築住宅の契約に関する瑕疵保証制度の充実(平成 14 年 8 月からは既存住宅にも適用) ② 住宅性能表示制度(品質の高い住宅を求める場合の共通ルール) ③ 住宅に係る紛争処理体制の整備(住宅専門の紛争処理機関がスタート) ● 住宅性能表示制度について 具体的には下記の 10 分野で評価(国の指定住宅性能評価機関に於いて)されます。この評価を利用するか しないかの選択は、住宅取得者か住宅供給者の判断に任され、性能表示事項ごとに、等級や数値による 表示方法があります。 1. 構造の安定に関すること 地震や風などで力が加わった時の建物の強さ(崩れにくさ)に関連することを評価します。 2. 火災時の安全に関すること 火災が発生した場合の避難のしやすさや建物の燃えにくさなどに関連することを評価します。 延焼の恐れのある部分の開口部に係る火災による火炎を遮る時間の長さ(耐火等級) 耐火等級 3 60 分以上(特定防火設備)・・・シルファーのダンパー付製品 耐火等級 2 20 分以上 耐火等級 1 その他 3. 劣化の軽減に関すること 建物の劣化(木材の腐食、鉄の錆など)のしにくさに関連することを評価します。 4. 維持管理・更新への配慮に関すること 給排水管、給湯管・ガス管等の日常における維持管理(点検、清掃、修繕)のしやすさに関連することを 評価します。 5. 温熱環境・エネルギー消費量に関すること(省エネルギー対策等級) 防暑、防寒など、室内の温度や暖冷房時の省エネルギーの削減に関連することを評価します。 年間暖冷房負荷、熱損失係数、夏期日射取得係数、相当隙間面積、結露の発生防止対策の評価基準があります。 「気密住宅」とは、相当隙間面積が5.0㎠ /㎡以下と判定されたものです。 6. 空気環境に関すること 化学物質などの影響の抑制など、室内の空気の清浄さに関連すること。居室や内装のホルムアルデヒドの 発散を少なくする対策や必要な換気量の確保が出来る対策を評価します。 ・ホルムアルデヒド対策(P.129 参照) ・ 換気対策 居室の換気対策…住宅全体で必要な換気量が確保できる対策 局所換気対策…… 機械換気設備(換気上重要な便所、浴室、台所の換気)及び換気できる窓があり、 使用可能であること ・室内空気中の化学物質の濃度等 ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンを採取し、濃度を測定 7. 光・視環境に関すること(開口面積) 採光など視覚に関連することを評価します。 8. 音環境に関すること 騒音防止などの聴覚に関連することを評価します。 外壁開口部の透過損失等級・・・1/3 オクターブバンド測定による平均音響透過損失 等級 3 25dB 以上(100Hz ~ 2500Hz の平均)または 遮音等級 T-2以上 等級 2 20dB 以上(100Hz ~ 2500Hz の平均)または 遮音等級 T-1以上 等級 1 ̶ 9. 高齢者等への配慮に関すること 加齢などに伴う身体機能の低下に配慮した移動のしやすさ介助のしやすさ、転落、転倒などの事故の防止に 関連することを評価します。 10. 防犯に関すること 住宅の出入り口、窓等の開口部について、侵入防止対策上有効な出入り口の高さなどに関連することを評価 します。
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=